4/10~まちかどギャラリーに三橋 玄さんの竹アートを展示しています
BankPark YOKOHAMAを象徴するバルコニーは、「まちかどギャラリー」と名付け、環境問題や工藝などをテーマにした作品を発信しています。
4/10より、竹アーティストの三橋 玄さんの竹アートをお出迎えしました。
昼はもちろん、ライトアップされる夜も素敵なファサードをつくりだしておりますので、是非ご覧になってみてください。



写真提供・下記文章:玄竹
「風を集めて 扶揺 fú yáo フーヤオ」
この美しい人工空間で制作できたのは貴重な体験でした。ここにはいつも優雅な時間が流れていました。それは建築の力でしょう。ありがとうございました。
石で作られた、威厳を示すヨーロッパの建築様式が日本に取り入れられたとき、それは丸みを持った、優美で柔らかなものになったようです。この柔らかな威厳に、私は横浜の街でたくさん出会いました。美しい街でした。新しい文化や様式を取り入れる際に独自の美意識によって変容させていく日本の精神はここにも宿っているのでしょう。
私は竹を割り、曲げた線を組み合わせて立体を作っています。この細い竹の線は、私が作っているというより竹の中に元からあるものを取り出しているという感覚です。その線には「まっすぐ」でありながら「しなやか」という竹の二面的な特性が宿っているように思えます。
「風を集めて」は連作プロジェクトで、竹の線の一本一本が風です。その線を集めて一つの形を作ります。その形は、太古から人が空想し描いてきた霊獣たちの姿を借りることが多いのですが、それらは自然の力を象徴した形です。私が描くのは、その奥にある自然の流れから沸き起こるイマジネーションです。竹から与えられたしなやかな流れが集まり、軽やかな躍動が生まれます。
今回の「風を集めて」は大空に昇ろうとする大きな鳥の一部をつくりました。タイトルの「扶揺 fú yáo」は天に昇る風で、空想上の大きな鳥「鵬」がこの風に乗って上昇します。荘子の「大鵬は扶揺に乗って九万里を上る」という一節からとりました。(扶は、下から持ち上げる、支える。揺は、揺れるもの、風。)
鳥は港と関係が深く、未来を象徴しています。横浜はその始まりから、未知のものを受け入れ、新しい世界に旅立つ者を送り出してきた街でした。この激動の時代においてこそ、この街は未知への挑戦の場になっていくと思います。その街の美しいファサードから力強く天へ飛び立とうとするエネルギーを表現しました。
竹は私が手入れを続けてきた奈良県明日香村の竹林から切り出しています。竹は日本の生活、文化、芸術などのあらゆる分野に使われ、精神的な意味も大きな植物でしたが、自らの手でものを作る人は減り、竹林の手入れをする人は少なく、放置され、竹やぶになっています。しかし、竹の持つ強い生命力は持続的な資源となり、未来への可能性だとも言えます。
この展示が竹の持つ美しさ、強さ、可能性を伝える一端になればと願います。
2026.04.13.「玄竹」三橋 玄